ずっと付けっぱなしにしておきたくなるブレスレットを探していた。
付けっぱなしにするには手首に引っ掛かりがなく違和感がないこと。
次にお風呂なんかで汚れや泡や水が溜まりにくいように、なるべく凹凸の少ないデザインであること。
それに加えて、ずっとつけておきたくなるようなデザイン性があること。
一番最後に奇抜すぎないこと。
我ながらワガママな条件をつけていると思う。
そんなものを探し続けて3年くらい経ったある日、雑誌で見かけたブレスレットにビビッときた。
そのブレスレットが”dan tomimatsuのヘアバンドブレスレット”だった。
”女性が手につけているヘアゴム”をモチーフに作られたシルバーブレスレットだった。
肌に馴染む絶妙な曲線ながら、どこかデザイン性も感じる。
その日中に売っている店を探し、次の日に伺った。
実物の第一印象はブレスレットというよりも、ただの金属の輪っかという感じだった。
留金も何もなく、無理やり手をねじ込んでつけるという。
手を痛く、赤くしながらねじ込んでみた。
机に置いてあるときはただの”金属の輪っか”だったものが、腕に通った瞬間から馴染んで”ブレスレット”という風情に変わることには、新鮮な驚きがあった。
日常の品をモチーフに作られた、極めてシンプルだけど、少し変わっているブレスレット。
仕事も、遊びも、お風呂も、寝るときも、ずっと付けていられる愛用の品になった。