「このモノのおかげで人生が変わった」
そう言えるものはあるだろうか?
私にとって、MacbookAirは一目惚れした世界で一番美しいPCであり、人生を変えてくれた相棒だ。
高校の時からWindowsのPCを持っていた。
重く、バッテリーはもたず、冬場に暖房が要らなくなるほど本体が熱くなる代物だった。
それでも色んなことをググって、ニコニコ動画を見て、2ちゃんねるまとめを見て、ネット小説を読んで、そのPC1台があったことでとても世界が広がった。
大学に入るとき、レポートなどで使うのでPCを買い替えようという話になった。
電気屋さんに行って色々見ているうちに、1枚の薄いシルバーの板のようなPCが目に留まった。
「なんだこれ?」と思って開いてみると、最小限の装飾で、中まで美しい。
トラックパッドに触り、言葉にできないほど滑らかにカーソルが動くことに感動した。
Macのトラックパッドは指の加速度に合わせて、動く距離を変えている。指を同じ距離動かしても、その動かし方によってカーソルの動く距離が変わるのだ。
そして何より感動したのが2本指で上下に動かすとスクロールになることだ。
2024年の今となってはWindows PCにも当たり前に搭載されている機能ではあるが、いまだにMacに匹敵するトラックパッドの滑らかなスクロールを表現できている機種には出会ったことがない。
PCを開いた状態で裏を見てみて驚いた。
リンゴマークが光っていた。
昔のMacのリンゴマークは光っていたのだ。
天板のアルミをリンゴマークに切り抜き、そこに白い半透明の板を嵌め込み、ディスプレイのバックライトが透過することでリンゴが光る仕組みだ。
こんな無駄で美しいことを考えて、実現するようなPCと、ブランドと初めて出会った。
私とApple社の初めての出会いはこの電気屋のMacbookAirだったのだ。
大学で必要だったので、マイクロソフトオフィスが使えるかを店員に聞いて、即購入した。
惚れ込んだPCだからこそ、ずっと楽しく弄り回していたことをよく覚えている。
いろんな便利なツールを探し、壁紙を変えて、アプリを入れて、keynoteでプレゼンを作ってみて。
なんだか何でも心地よく楽しく実現できるPCだった。
このPCに買い替えてから、ブログを始めたし、プログラミングもやるようになってエンジニアになったし、動画編集もやるようになった。
自転車が発明され、歩くよりも遥かに早く、遥かにエネルギー消費が少なく移動できるようになったように、良い道具は人間の力を増幅する触媒になる。
あそこでもし他のPCを買っていたら、今とは違う人生を歩んでいたと確信がある。
良いものは人を変え、行動を変え、最終的には人生を変えるパワーがあると実感した最初の出来事である。
— 【番外編:MacbookAirの美しく見せる工夫】 —
キーボードをアルミ板を削り1段階窪ませて、そこにキーを置くデザイン
アルミ板を削り、キーボードやディスプレイの穴をあけることで、継ぎ目を無くした美しさと剛性を両立させるユニボディ
天板をリンゴマークに切り抜き、バックライトを透過させてリンゴマークを光らせる
中心から端にいくにつれて、薄くなるクサビ型をしているため、実際よりも薄く感じさせる。そのために、内部のバッテリーは階段状に積む必要がある
キーボードのバックライトの美しさ
スピーカーの穴を外に見せないためだけに、キーボードの下にスピーカーに設置、画面に向かって音を発射、画面に反射させることできちんと音が出ているように感じる構造
底面に最小限の「Designed by Apple in California」と数行の文字だけが配置され、他には衝撃吸収のゴムのみ
コストと美しさのバランスを取るため、上面の方が底面よりも美しく筋の少ないアルミが使う