良いデザインというのは、見た目と機能性を兼ね備えているというのが持論だ。
クチポールの食器を見ていると、そのことを実感する。
この美しくてかわいい食器たちは、ポルトガルの自社工場ですべて職人が手作りしているらしい。
非常に繊細な曲線と、表面の磨きの美しさは職人の技でできている。
私の使っているクチポールは先端だけ金属で、持ち手が樹脂で出来ている。
金属と樹脂、2つの全く違う素材が完璧な曲線を描いて繋がっている。
この仕様にすると食べ物が熱くても金属部分で熱伝導が止まり、樹脂の部分まで伝わらないから手が熱くならないという意味があるそうだ。
たしかにスプーンやフォークに1本2000円と言われると、ちょっと高いよなとなる気持ちはある。
しかし、美しさを楽しみ、デザインの意味を知り、歴史や作っている人のことを知ることで、毎日3食必ず使うものが喜びを与えてくれるものになる。
数千円を払ってカトラリーを揃え、それらがずっと毎日の食卓を、人生を豊かにし続けてくれる。
こんなお金の使い方は、とても幸せではないだろうか。