良いモノを手に入れた後に、そのモノの裏にある歴史や生産方法、作っている企業の想いを調べることが好きだ。
エルメスのローブ・レジェールというデザインの白黒スカーフを手に入れた時も、エルメスに関する本を4冊読み、メンズのスカーフの使い方動画を15本みて、無数のネット記事を読み込んだ。
その中で様々なことを知っていった。
エルメスのスカーフがカレ(フランス語で正方形の意味)と呼ばれること。
1枚のスカーフを企画、デザイン、製造するまで2年以上かかること。
1色につき1枚版が必要なシルクスクリーンという手法で染色を行い、かつ他よりも倍ほど色を使っていること。
原料の高品質な絹を安定的に得るため、ブラジルの絹の製造農家と長く専属契約を結んでいること。
“身につける芸術品”と呼ばれていること。
額に入れて飾るファンも多いこと。
詳しくは下記記事へ。
特に印象的だったのが、エルメスには年間テーマがありそれを全ての部門で追うことにしていることだ。
このスカーフが販売された2023年のエルメス年間テーマはフランス語で「Vive la légèreté ! 」、日本語では「もっと軽やかに」。
このカレを購入した当初はテーマのことは知らず、柄の流麗さと躍動感に一目惚れして購入した。
モノトーンで美しく、これなら男性の私でも使いやすいなと。
調べたところ、そもそもカレにはモノトーンの男性が使いやすい色や柄のものが極めて少ないよう。そういう意味でもこのスカーフを手に入れられて嬉しく思った。
後ろ脚で楽しげに跳ねる馬を世界各国の4大陸すべての花で表し、後ろに花を散らすことで前に進んでいる感じも伝わる。
どこまでも跳ねながら駆けて行きそうな躍動感と軽やかさだ。
「もっと軽やかに」。
このテーマをこれほど的確に表したデザインにできるのかと、テーマを知った後に2度驚いた。
エルメスのスカーフは1枚1枚すべてタイトルとストーリーがついているが、このスカーフは「Robe légère」(ローブ・りジェール)、フランス語で”軽やかなドレス”という意味。
花で馬を模して、それを「軽やかなドレス」と表現するのもまた洒落が効いている。
デザイン、色、素材と同じく、タイトルもまた作品の一部なのだと感じさせる。
こんな素晴らしいスカーフを、なるべく普段使いにして、トレードマークにしていきたいところだ。
“きちんと使える日用品で、かつ高品質で美しいもの”というエルメスの理念、かなり好みである。
【P.S.】
ローブレジェールの他の色
https://ameblo.jp/wanwancocococo/entry-12762024592.html
ローブレジェールのストーリー
ふたたび芽吹く春。インスピレーションをもたらすミューズのように威風堂々と佇む一頭の馬。ローマ神話の花と豊穣の女神フローラよ、あなたはそこにいるのですか?神格化された馬は、エネルギッシュに後ろ脚で立ち上がり、四大陸の隅々から集められた草花が織りなす、色とりどりの毛並みを風になびかせます。解き放たれた花々は、何者にも支配されたくないと言わんばかりに風に舞いながら馬の後に続き、その美しい体を描き出します。テオ・デ・グエルツがとらえた跳ね馬の姿は、馬術がテーマの絵画の理想的なモデルのようです。(公式ホームページより)
https://ameblo.jp/buymahk/entry-12790497550.html